HAEと診断されたことで、仲間とともに、安心した日常生活を送っています

主な症状
肘から手首にかけての腫れ、腹痛

HAEの症状が初めて出た時~診断がついた時のことを教えてください。

1993年7月頃、妊娠4ヶ月の時に、左腕の肘から手首にかけて腫れの症状が現れました。その腫れが引くと、今度は右腕の肘から手首にかけて同じような腫れが出ました。数日後には、腹痛と嘔吐が止まらなくなり、病院を受診しましたが、原因は不明とのことで、緊急手術で開腹しましたが、結局原因は見つかりませんでした。後日、甲状腺の診察で訪れた内分泌科の担当医師が、「医師国家試験の問題に出ていたHAEの症例に似ている」と言われ、そこで初めて「HAE(遺伝性血管性浮腫)ではないか」という疑いが出ました。

現在はどのような治療を行い、HAEの症状とどのように付き合っていますか。未診断の時と診断が確定した後を比べると現在の生活にどのような変化がありましたか。

今は、処方された予防薬を携帯し対処しています。未診断時と比べて不安や痛みが軽減しました。また、予兆が無く突然起こる発作が無くなり、身体的にも精神的にも楽になりました。バイト、友人などとの約束を潰すことがなくなりました。

【医師からのコメント】 広島大学病院 皮膚科:田中暁生先生
いつ発作が起こるかわからないという状況は精神的にも大変つらい日々であったとお察しします。HAEは治療を行うことで、安心して日常生活を送ることができるようになり、本当に良かったですね。ご自身の体の具合やライフスタイルに合わせて主治医の先生に相談し、適切な治療方法を考えていきましょう。

HAEのような希少疾患には今度どのような支援や理解が必要だと思いますか。

HAEだけで無く、希少疾患に対して望むことは、緊急時の対策(遠方、天災時、など)、薬の確保、調達などのネットワーク、医師の理解と認識を広く知ってもらう事。

趣味や楽しみ、日常生活の中で大切にしていることがあれば教えてください。

自分の体調の変化に気をつけ、旅行などは行く先にHAEの治療が出来るところはあるかなど、他の人に迷惑を掛けないよう心がけています。

【医師からのコメント】 千葉大学医学部附属病院 腎臓内科:本田大介先生
自分の体調の変化に気を付けることは良いことですね。ブラジキニン受容体阻害薬は持ち歩くことができますので旅行や出張に行く時は事前に主治医の先生に相談した上で準備をしておきましょう。また、HAEの治療可能な医療機関を調べておき事前に紹介状を書いてもらうなど発作時の対応を確認しておくことも重要であると思います。

患者会に入ってよかったと感じたことがあればお答えください。

理解してもらえること。共感できること。精神面で助けてもらっています。色々な薬の選択する時、意見が聞ける。必要な知識を得ることができました。

【医師からのコメント】 広島大学病院 皮膚科:田中暁生先生
患者会を通じて誰かに話すことが、安心や新たな解決策を見つけるきっかけになるかもしれません。支え合える仲間を見つけ前向きに歩んでいただければと思います。

HAEは希少疾患でいまだに認知度が低い疾患です。いまだにHAEの診断がつかず苦しんでいる患者さんが多くいらっしゃいます。現在、同じような症状で苦しんでいる方々に対して、どのようなメッセージを伝えたいですか。

患者会などを、上手に活用してもらいたいです。入会せずにでも良いと思います。誰かに話すことで、解決策が見つかると思います。

【医師からのコメント】 千葉大学医学部附属病院 腎臓内科:本田大介先生
症状について誰にも話せず、周囲の理解も得られず長年苦しんでいらっしゃる方も多いと伺います。患者会だけでなく、HAEに関するWebサイトやセルフチェックシートなど様々なツールがあります。症状が気になる方は一人で悩まず、医療機関 を受診してみることをお勧めします。