遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビターの遺伝子の一部に変異があることで発症する遺伝性の病気であり、常染色体顕性(優性)遺伝により遺伝します。C1インヒビターの遺伝子の異常は、50%の確率で親から子に遺伝します。一方、何らかの原因で遺伝子に新生変異(両親ともに正常だった遺伝子に新たに起こる変異)が起こってHAEになることもあります(孤発例)。孤発例の患者さんでも50%の確率で遺伝子の異常がお子さんに遺伝します。
そのため、HAE患者さんのご家族またはご親族の中にもHAEの方がいるかもしれません。

HAEの発作は生活や命に影響をおよぼすことがあるため、どの部位の発作でも重症化予防と早期回復のためにも早期に治療をすることが重要です。特にのどや口の中に発作が起きた場合は命取りになることがあるので、すぐに対処することが重要です。HAEと診断されていると薬で症状を抑えることができますが、HAEと診断されていないと処置が遅れ、命を落としてしまうこともありえるのです。

また、HAEの発作は、これまでに症状がなかった場合でも突然起こることがあります。HAEであることがわかっていれば、そうした場合にすぐに対応することができます。そのため、あらかじめ診断を受けておくことはとても重要です。

ファミリーテストは、HAE患者さんのご家族・ご親戚など血縁者を対象として、HAEを診断するための検査です。 医師の問診と血液検査でHAEを診断することができます。
ファミリーテストにより正しい診断がつけば、将来発作症状が出た時に正しい治療を受けることができ、未診断の状態で危険にさらされているかもしれない大事なご家族を守ることができるのです。

もし、HAEと診断された方がご家族におられる場合は、血縁者(ご家族・ご親戚)の方にファミリーテストを受けることをお勧めします。