HAE(遺伝性血管性浮腫)による腫れやむくみは、突発的に発生し、くり返し起こることが特徴で、その症状の頻度や程度は個人によって異なります。発作は1年間に1回も発作が起こらない場合もあれば、1年間に30回以上の場合など、さまざまです。本ページではHAE患者さんの平均的な発作回数やその症状について詳しく解説いたします。

HAE(遺伝性血管性浮腫)患者さんの発作頻度

HAE(遺伝性血管性浮腫)の腫れやむくみはくり返し起こりますが、その頻度もさまざまです。
国内の調査によると、HAE患者さんの年間の平均発作回数は15.7回であり、1年間に1回も発作が起こらなかった患者さんもいれば、年間20回以上の発作を起こす患者さんが26.1%いました(図11)

  • 1) K. Iwamoto et al. Allergology International 70 : 235-243,2021

(図1)

図1:遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんの発作頻度

HAE患者さんの症状別発作頻度(初発および再発別)

発作の症状については、目に見える腫れ(98%)、腹痛(79%)および悪心/嘔吐(68%)の順で、呼吸困難と息切れもそれぞれ44%と40%の患者さんが経験されていました(図2)。発作の部位については、約80%が手指と腕、足と足首、顔面の腫れでした。1)

  • 1) K. Iwamoto et al. Allergology International 70 : 235-243,2021

(図2)

図2:遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんの症状別発作頻度(初発および再発別)

発作の頻度と治療の関係

発作の頻度には個人差があり、常に一定の頻度ではないです。
発作が起きると学校生活や仕事に大きな影響を与えるため、医療機関に相談し、適切な治療法を相談することが望ましいです。通常、血管性浮腫の予後は良好で、適切な治療を行うことで発作がでない生活を送ることも可能です。
大切なのは早期診断と早期治療です。そうすることで、発作が起きた場合でも薬剤を迅速に投与できます。

発作の頻度と、発作に備えるためにできること

HAE(遺伝性血管性浮腫)は、多くの場合、20歳までに初めての発作が起こるといわれていますが、発作の時期や頻度には個人差があります。
そのため、現在症状はないが、ご家族にHAEの方がいる場合や、発作の回数が少ない方でも、安心のために一度医療機関を受診し、医師に相談することをおすすめします。
得に、修学旅行や出張、旅行など長距離の移動や慣れない環境での滞在を予定している場合は、万が一の発作に備えて、現地で受診できる医療機関を事前に調べておくと安心です。
また、発作を予防する治療を含め、日常生活のなかで「QoL(生活の質)」をどう保っていくかについても、主治医とよく相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。

HAEの診断・治療が可能な病院を探す

HAE(遺伝性血管性浮腫)は、早期の診断と適切な治療が重要です。気になる症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。HAE-infoでは、HAEの診療(診断・治療)を行う医療機関を地域別に掲載しています。受診の際にぜひご活用ください。