ここでは、遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema: HAE)について、詳しくご紹介いたします。

HAEとは

HAEは、遺伝子の変異が原因で主に血液の中にあるC1インヒビター(C1エステラーゼインヒビターまたはC1インアクチベーターともいう)の低下およびその機能が低下する病気です(稀にC1インヒビターの量、機能共に正常なタイプも存在します)。

体のいたるところに2~3日持続する腫れやむくみ(血管性浮腫という)を繰り返します。
個人差がありますが、10歳から20歳代に発症することが多く、皮膚(手足、顔面、生殖器など)が腫れた場合は一見すると「じんま疹」に似ていることがありますが、強いかゆみを伴わないのが特徴です。
のどが腫れる場合は呼吸困難におちいり、生命の危険をきたす可能性があります。
また、お腹(胃や腸)が腫れると腸閉塞と同様に嘔吐したり、強い痛みを感じることがあります。

HAE(遺伝性血管性浮腫)の課題

HAEは、体のさまざまな部位に2~3日続く腫れやむくみ(血管性浮腫)が繰り返し起こり、特にのどが腫れると命の危険を伴うことがあります。患者さんの中には「子どもの頃から繰り返すむくみや腹痛に悩まされていたが、HAEという病気を知らず、症状も数日で治まるため病院には行かなかった」という声も多く聞かれます。HAEは希少疾患であり、その認知度の低さや、診断に高度な専門知識が必要なことから、診断に時間がかかることが多いです。日本では、初めての症状からHAEと診断がつくまでに平均15.6年かかるとされており、その間、患者さんは時に生命の危険を来す可能性があるこの疾患に苦しんでいます。

HAEの原因とタイプ

HAEは、主に遺伝子の変異が原因で血液の中にあるC1インヒビター(C1エステラーゼインヒビターまたはC1インアクチベーターともいう)の低下およびその機能が低下する病気です(稀にC1インヒビターの量、機能共に正常なタイプも存在します)。
※引用元:https://discovery0208.or.jp/hae/

HAEの症状と発作の頻度

HAEの症状は、突発的に繰り返し発生する腫れやむくみです。赤みやかゆみは伴わず、突然現れて通常1~3日で自然に治まります。HAEの腫れやむくみの頻度もさまざまで、また、腫れる部位も手足や腕、脚、まぶた、くちびる、口内、舌、喉など、人によって異なります。特に喉に腫れが生じると気道が閉塞し、呼吸困難となり命の危険を伴うこともあります。消化管に腫れが出た場合、激しい腹痛や嘔吐、下痢といった症状が現れることがあります。腫れは繰り返し起こり、週に数回起こる人もいれば、数ヵ月に1回、数年に1回しか起こらない人もいます。
HAEの発作の引き金となる要因は、精神的または肉体的ストレス、抜歯などの歯科治療、妊娠や生理、使用している薬などが知られています。

HAEの患者数

希少疾患の1つであるHAEの有病率は5万人に1人といわれており1) 2) 、日本にはおよそ2,500人の患者さんがいると推定されます。

  • 1) Zuraw BL. N Engl J M ed 359 :1027-1036, 2008.
  • 2) Lang DM, et al . Ann Allergy Asthma Immunol 109 (6) :39 5-402, 2012.

※引用元:https://discovery0208.or.jp/hae-info/hae/patient.html

HAEの可能性をチェックしましょう

繰り返す腫れやむくみの症状にお悩みの方はぜひ【セルフチェックシート】をご活用いただき、医療機関を受診することをお勧めいたします。また、【病院検索ページ】では、HAEの診断/治療ができる医療機関を掲載しております。ぜひご確認ください。